特定口座があるなら申告が必要かどうか毎年チェックしましょう!
株取引をされている方の中には、証券口座を「特定口座」にされている方もかなり多いのではないかと思います。
証券口座を「特定口座」にしておけば、その中で税金の計算は完結しますので(「源泉徴収あり」にしていることが前提ですが)、頻繁に売買をされる方には便利です。
しかし、税金計算が終わっているとは言っても、あらためて確定申告をすべきかどうか、毎年チェックするようにした方がいいかもしれません。
目次
申告した方が良い場合①:損失が出ている場合
特定口座で譲渡損失(売却損)が出ている場合は、申告をした方がいいです。
証券口座が1つだけの場合は、翌年から3年間にわたって損失を繰り越せますので、翌年以降に利益や配当金があれば、それらと相殺することで、源泉徴収された所得税や住民税が戻ってきます(住民税は6月以降に支払う金額が少なくなるという形で取り戻せます)。
また、証券口座を2つ以上持っていて、利益がでた口座と損失がでた口座の両方がある場合も、確定申告をすることによってそれらを相殺でき、利益がでた口座で源泉徴収された所得税や住民税を取り戻すことができます。
利益がでた口座と損失がでた口座とを相殺させても、まだ損失が残っていれば、これについても同じように翌年から3年間の繰り越しが可能です。
申告した方が良い場合②:昨年から繰り越してきた損失がある場合
損失の繰り越しは、毎年申告をすることによってしかできません。
そのため、前年の申告で損失の繰り越しをしているなら、利益が出ているかどうかに関係なく、今年も申告をしなければ、翌年に繰り越すことはできません。
申告をした方が良い場合③:配当金を「総合課税」で申告した方が有利な場合
損失が今年も前年以前も無い場合は、特に申告する必要もないのですが、配当金については申告をした方が有利な場合もあります。
配当金については、
- 配当金が支払われる際に税金が引かれる方法(「源泉分離課税」と言います)
- 給与や年金、事業所得などとは切り離して申告をする方法(「分離課税」と言います)
- 給与や年金、事業所得などと合算し、その金額の多寡によって税率が決まる方法(「総合課税」と言います)
の3つの方法があります(売却益については「総合課税」がありません)。
このうち、3つ目の「総合課税」を選んだ場合は、所得金額の多さによって税率が変わる一方で、配当額のうち一定額(最大10%)を税金から差し引くことができるという制度があります(「配当控除」と言います)。
配当金は、あらかじめ15.315%の所得税が差し引かれているのですが、この総合課税によって申告をすれば、配当金に対する税率は15.315%よりも少なくなる可能性があります。
そういう場合は、配当金だけ申告をした方がよいかもしれません。
ただし、配当金だけ申告した場合は、住民税が増える可能性があります。
もともと5%の住民税が差し引かれているのですが、あらためて申告をすると、10%が課税されるためです(住民税の方にも最大2.8%の控除があるのですが、それでも7.2%ですので、何もしないよりは増えてしまいます)。
これを防ぐためには、所得税の確定申告(国の出先機関である税務署に提出)とは別に、お住まいの市町村へ住民税の申告をしておいた方がいいです。
これについては、下記記事をご参照ください。
申告をした方が良い場合④:他に所得がない場合
特定口座は、その中で税金計算が完結していると言いましたが、「所得控除」が行われているわけではありません。
他に所得があれば、そこから「所得控除」が行われますが、他に所得が無ければ、特定口座での配当金や株の売却益などから控除することができます。
レアケースかもしれませんが、一応ご紹介しておきます。