自宅開業のメリットとデメリットとその対策

 
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私は自宅にて事務所を開業しています。

開業してからちょうど1年以上が経ったので、自分で経験してみて感じた、自宅開業することのメリットとデメリットについてお話してみたいと思います。

士業事務所を開業してみての感想なので、参考になる業種・ならない業種があるかもしれませんが、一例としてお読みいただければ幸いです。

 

私が感じた自宅開業のメリット

固定費(事務所家賃・人件費など)がかからない

自宅開業する人の多くが共通して感じているメリットが、「固定費がかからない」ことかと思います。

「固定費」とは、売上があってもなくても必ずかかる経費のことで、主に以下のようなものがあります。

  • 事務所や店舗の家賃
  • 人件費(給与、社会保険料など)
  • リース代(複合機など)

※逆に売上に応じて金額が変動する経費のことを「変動費」と呼びます(仕入代金や外注費などがそれに当たります)。

私の場合も、自宅で開業していますので、家賃はかかりませんし、人も雇っていませんので(雇おうにも自宅なので招き入れることもできませんし)人件費もかかりません。

固定費がかかっているとすれば、所属団体(税理士会や行政書士会など)の年会費や会計ソフト・税務ソフトの使用料くらいなものでしょうか。

逆に家にかかっている費用の一部を事業の経費にできるというメリットもあります。

無理に仕事を取りにいかなくてもよい

毎月支払わなければならない固定費があると、支払いに間に合うように、事務所を維持するために、雇用を維持するために、何が何でも売上を取りにいかなければならなくなります。

その点、自宅にて1人で開業している分には、固定費がかなり抑えられますので、売上が多くなくても高利益を確保でき、無理してやりたくもない仕事を取りにいかなくて済みます。

無理して仕事を取らなくてよくなれば、時間にゆとりができますし、精神的にも楽になります。

ただし、そのためには仕事の値付けが重要ですし、開業したてで仕事がない時は、どうしても「食べるための仕事」をやらないといけないこともあります(私は1年経った今でもその段階と言えるかもしれません)。

通勤がない

自宅開業なら通勤時間もゼロにできます。

満員電車に揺られて心身をすり減らすこともなければ、移動のためだけに時間を費やすこともありません(勤務時代は往復で2時間弱かかっていました)。

 

私が感じた自宅開業のデメリットとその対策

一方で、自分でやってみて分かった自宅開業のデメリットもあります。

それは、自宅なので「お客様を呼びにくい」という点です。

一応、自宅内にて事務所スペースと生活用スペースとを分けてはいますが(税理士会や行政書士会での登録の際には、分けていることを求められますし、家の間取り図の提出も求められます)、それでもやはり自宅なので中にお客様を招き入れるのは難しいです。

私の場合はマンションですので、マンション内の打ち合わせスペースで面談することも可能ですが、人が通ることもあり、そこを気にされる方もいらっしゃいます(私も気になります)。

この点について、私がとっている対策は以下の通りです。

こちらから伺う

お越しいただくのが難しければ、こちらから伺うことを提案しています。

その方が、お客様にとっては移動しなくて済みますので楽ですし、私にとっても、ずっと家で仕事をしているよりは、時々外出する方が気分転換になるというメリットがあります。

WEB面談をする

とは言っても、このご時世ですと、お互い外出もしにくいですので、その場合はWEB面談(主にZoom)という選択肢もあります。

これですと、お互いに移動する時間を節約できるというメリットがあります。

割り切る

自宅開業していること自体を敬遠される方もいらっしゃいますが、そのことが理由で商談を断られるのであれば、はじめからご縁がなかったのだとあきらめる(割り切る)ようにしています。

事務所を借りればいいのかもしれませんが、事務所の家賃や人件費を支払うために余分に働いたり、自分に合わない仕事を取ってくるということはしたくありませんので(将来気が変わるかもしれませんが)。

自宅開業の場合は、ある種の「割り切り」も大切なのかもしれません。