法定相続情報一覧図を利用すれば時間とコストも節約できます

 
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相続106

 

戸籍書類に代わる相続関係の証明書類として数年前に登場した「法定相続情報一覧図」。

金融機関などでの手続きの現場では完全に浸透した感がありますし、税務署への提出についても法定相続情報一覧図のコピーだけでよくなっています。

戸籍を複数部取るのは大変だから、「法定相続情報証明制度」を利用しましょう

法定相続情報証明制度を利用してみました(代理人として)

この法定相続情報一覧図の作成と取得には少々手間がかかりますが(手間については上の記事をご参照ください)、これを作っておくことで、後々の手続きにおいて時間とコストを大幅にカットすることができるので、おすすめです。

 

法定相続情報一覧図による時間とコストの節約

法定相続情報一覧図については、以下のような特徴があります。

  • 法務局が戸籍書類を確認した上で、その一覧図を相続関係を証明するものとしてお墨付きを与えている。
  • 何部でも無料で取得できる(作成に至るまでの戸籍書類の取得については有料になりますが)。

これらの特徴が、相続手続きにおいて時間とコストの節約につながっています。

法務局のお墨付きがある→金融機関などでの確認作業が大幅に短縮される

法定相続情報証明制度ができるまでは、戸籍書類一式を準備して、相続手続きをする金融機関などに提出していましたが、金融機関などでは、その戸籍書類一式が相続関係を証明しているものかを確認するために、時間を取られることが多々ありました。

しかし、相続関係を法務局が確認し、お墨付きを与える「法定相続情報一覧図」が登場してからは、この作業が省略されるようになりました(一応、その中身は確認されていますが)。

実際、残高証明書を取得するために銀行の窓口へ出向き、一覧図を提出すると、バックヤードの方から「これ(一覧図)があると楽やなあ~」という声も聞こえてくることがありました。

何部でも無料で取得できる→同時並行で手続きしやすい

世の中の被相続人は、昭和以前のお生まれの方が大半かと思われます(数えたわけではありませんが、少なくとも平成以降生まれの方の相続税申告や相続手続きは未だ経験がありませんので)。

昭和以前に生まれた方の場合、少なくとも戸籍書類は2部以上は集める必要があります。

その理由は、平成6年の法改正により「戸籍の作り替え」が行われているからです。

結婚されている方や戦前生まれの方であれば、3部、4部集めなければならないこともざらです。

そうなると、少なくとも戸籍の取得費用として、1セットにつき1,200円以上(現在の戸籍450円+過去の戸籍750円)は必要になります。

ここに、相続人の現在戸籍も加わると、さらにコストはかさみます。

何セットも戸籍を取っているとコストがかかるので、コスト節約のために1セットを使い回すことが行われていましたが、そうなると手続きの方に時間がかなりかかっていました(1つの金融機関で手続きが終わったら、次の金融機関で手続きをし、それが終わったらまた次の金融機関で手続きをし、・・・といった感じで)。

かといって、時間制約のために何セットも取っていると、それだけでそれなりの費用がかかります。

その点、法定相続情報一覧図は、最初の戸籍書類1セット分の費用(法務局と郵送でやり取りするなら、郵送費用もかかりますが)さえかければ、あとは何部でも無料で取得することができます。

何部でも無料で取得できるので、時間の節約をしつつ、コストも節約できるというメリットがあります。

 

まとめ

法定相続情報一覧図は、財産規模にかかわらず、被相続人が取引していた先が多ければ多いほど、利用することをおすすめします。

私も、相続税申告や相続手続き業務では必ず取得しています(お客様が既に取得されている場合は除きます)。

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