現金管理がめんどうなら【事業主貸】【事業主借】をつかうという手があります!―がデメリットにも注意!

 
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会計入力でめんどうなことの1つに挙げられるのが、「現金管理」です。

  • 現金の有り高(財布や金庫に残っている現金残高)を管理しなければならない
  • 現金の有り高と会計システム上の現金残高を合わせなければならない

といっためんどうさです。

現金管理がめんどうなら、会計システム上から【現金】を無くしてしまうという手もあります。

 

【現金】の代わりに【事業主貸】【事業主借】をつかう

会計システム上で【現金】をつかわないなら、どうやって

  • 現金で受け取った
  • 現金で支払った

を処理すればよいのでしょうか?

  • 現金で受け取った→【事業主貸】
  • 現金で支払った→【事業主借】

をつかって、それぞれ処理します。

たとえば、次のように入力します。

  • 売上を現金で受け取った→【事業主貸】10,000 【売上】10,000
  • 備品を現金で購入した →【消耗品費】2,000 【事業主借】2,000

【現金】勘定を使っているのであれば、本来であれば【事業主貸】【事業主借】のところに【現金】が来ることになります。

ここでは【現金】だけを例に挙げていますが、他の支払手段も同じように【事業主貸】【事業主借】に置き換えても大丈夫です。

  • 普通預金
  • キャッシュレス決済手段(前払い・後払い・即時払い関係なく)

個人事業主の場合は、財布の現金だけでなく、預金口座でもプライベート・仕事両方の入出金があることが多いですので、それならこれらの支払手段も【事業主貸】【事業主借】に置き換えた方がラクかもしれません。

なお、会社の場合は、【事業主貸】【事業主借】に代わって、【役員貸付金】【役員借入金】を使います。

社長のポケットマネーに入出金があった場合の会計処理の仕方ー事業主貸/事業主借と役員貸付金/借入金

 

【事業主貸】【事業主借】をつかうメリット

【事業主貸】【事業主借】をつかうメリットは、何と言っても「ラク」な点です。

  • 現金管理をしなくてよい
  • (現金の場合)現金出納帳を作らなくてよい
  • (預金の場合)事業に関係のない入出金まで会計入力しなくてよい

事業に関係のある資料(領収書、請求書など)を集めて、入力すれば、それで完了です。

 

【事業主貸】【事業主借】をつかうデメリット

一方で、デメリットがあることも知っておいていただきたいと思います。

それは、「計上漏れや間違いに気づきにくい」という点です。

もし【現金】や【普通預金】などを会計システム上で使っている場合、

  • 会計システム上の残高と
  • 実際の残高(財布の中にある現金の有り高や通帳の残高など)との間に

差異がある場合は、

  • 収支の計上漏れ
  • 入力間違い
  • 紛失(現金の場合)

などが起きている可能性があり、差異があることによって気づくことができます。

しかし、【事業主貸】【事業主借】だけを使っていると、目の前にある資料(領収書、請求書、通帳から拾ってきた事業収支の情報など)でしか入力しませんので、これらのアクシデントに気づかない恐れがあります。

アクシデントを回避しつつ、【事業主貸】【事業主借】をつかうのであれば、日々の会計入力が欠かせません。

会計資料が手に入ったらすぐに入力する習慣を身につけておけば、少なくとも計上漏れは防ぐことができますし、入力間違いも起きにくいです(まとめて入力なら膨大な量でも、1日1日で見ればそんなに量は多くないですから)。