独立開業してから取り組んでみてよかったと思うこと

 
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相続106

 

私が税理士事務所を独立開業したのは、2019年(令和元年)11月ですが、実質的には昨年2020年(令和2年)が1年目のようなものでした。

この1年間で、私なりに様々な取り組みをしてきましたが、その中でもやってみてよかったと思えるものについてご紹介します。

これから独立開業される方の参考になれば幸いです。

 

ホームページを自分で作ったこと

一番は、事務所のホームページを業者に頼らず、WordPressを使って自分で作ったことです。

コストが主な理由ではありますが、それ以外にも以下のようなメリットがありました(上3つがとくに大きいです)。

  • 自分で作っているので、すぐに改善や修正ができた。
  • 伝えたいと思うことはすぐ発信できた。
  • ブログを書くために、色々勉強できた(間違ったこと書いたらいけませんので)。
  • 文章が上手くなった(ような気がする)。
  • ホームページのしくみが少しは理解できた(ような気がする)。

他のHPを参考にしたり、WordPressでのHPの作り方を検索したりしながら作っており、見よう見まね・試行錯誤の連続ですが、良い勉強ができたと思っています。

ちなみにHPを作るにあたってかかった費用は、下記の通りです。

  • サーバー利用料金:6,600円(年間)
  • バックアップオプション:3,960円(年間)
  • ドメイン代:1,098円(最初だけ、ただし2019年の話ですが。)
  • WordPressのセミナー:45,360円(HPの作り方やSEO対策などを、2回受講しました)
  • 関連書籍:約5,000円(2冊)

初期費用やセミナー、書籍を除けば、年間1万円程度で運用ができています(ただし、全部自分でやらないといけないのですが)。

 

税理士会の委託業務に参加したこと

税理士会では、電話や対面での相談会を定期的に開催したり、開業したばかりの人むけに「記帳指導」という事業をしたり、確定申告時期にはコールセンター事業や会場での相談会などを運営したりしています。

独立当初は暇だったというのもあり、少しでもお金がほしいというのもあって、税理士会からの募集に対しては積極的に手を挙げていました。

事前に対象者の人となり(何をしている人か、何を聞きたいか等)が分かっている記帳指導は別として、相談会については事前にどのような質問が来るか分からず、後で答えるということもできないので、それなりにプレッシャーのかかる仕事でしたが、それはそれでよい「武者修行」になりました。

相談業務をあまりやったことがないという人にはおすすめです。

また、一般の方が税金や会計などについて、どのようなことに疑問を持ち、困っているのかを知ることもでき、貴重な経験ができました。

事務所の仕事が軌道に乗ってくると、関わりにくくなってくるので、独立したての方には特におすすめです。

ちなみに、たまに自分の仕事につながることもあります。

 

e-Taxソフト等を有効活用したこと

独立前までは、会計ベンダーが提供している税務申告ソフトでしか電子申告をしたことがなく、国税庁が無償で提供している電子申告サービスである「e-Tax」や地方税共同機構が無償提供している「eLTAX」は、税理士でありながら全く利用したことがありませんでした。

独立後は、やはり自分自身のお金の問題もあり、会計ベンダーの税務申告ソフトはなるべく買わず、e-TaxソフトやeLTAXを存分に活用しています(相続税申告と財産評価に関してはJDLを利用しています)。

e-TaxソフトやeLTAXを使ってみてよかったと思うことは、電子申告のしくみを理解できた点です。
電子申告のしくみを理解できたことで、お客様が自分で電子申告をしたいと言われた場合でも、そのやり方をレクチャーできました。

とくに確定申告業務については、会計ベンダーに確定申告のシステム代として毎年数万円支払うくらいなら、無償の「確定申告書等作成コーナー」を利用することをおすすめします。

会計システムとの連動機能がない以外は、ほとんどベンダーのソフトと変わりがない、というのが私の感想です。

元から税務申告ソフトで電子申告をしていた方であれば、1,2件経験すればできるようになるかと思います。

 

行政書士登録したこと

初期費用が少しかかりましたが、税理士資格を活かして行政書士登録したこともよかったと思えることです(税理士は無試験で行政書士登録できます)。

もしも税理士が行政書士の登録申請をしたら

行政書士の登録証授与式に参加しました

相続税申告だけでなく、遺言書や相続手続きなどにも取り組み、業務の幅を広げられたら、と思い登録しました(2020年10月に登録したばかりで、まだ成果はあげられていませんが)。

行政書士登録し、登録証授与式に参加したり、いろんな行政書士とお話したりして(現時点で)分かったことは、行政書士が扱える業務は多岐にわたり、それが故に業種特化している行政書士が多いこと、また私を含め、他士業との兼業をしている人が多いことです。

それぞれ得意分野・不得意分野がはっきりしているので、お互いに教えあったり、仕事を紹介しあったりしているそうです(実際、私も紹介することがありました)。

そうすることで、研鑽を積んだり、仕事を増やしていったりしているようです(仕事を紹介しあうのは、税理士業界ではあまり聞かないような気がします。私が知らないだけかもしれませんが)。

これから税理士登録したり、税理士事務所を開業したりしようとされている方には、行政書士登録も視野に入れてみるのもおすすめです。

行政書士の仕事をしたことがなくても、行政書士会では実務研修が豊富なので、不安は少なくて済むかと思います(実務経験なしで開業している行政書士も多いようです)。