もしも税理士が行政書士の登録申請をしたら
昨日(9/2)、行政書士登録申請のため、大阪府行政書士会に行ってきました。
税理士資格を持っていれば無試験で行政書士登録ができる
税理士資格を持っていれば、試験を受けなくても行政書士登録することが可能です。
「士業」と呼ばれる資格には、他の士業にも登録できるものが多いです。
士業 | 登録できる士業 |
税理士 | 行政書士 |
公認会計士 | 税理士、行政書士 |
弁護士 | 税理士、行政書士、社会保険労務士、弁理士、海事保佐人 |
弁理士 | 行政書士 |
他にも、無試験ではないけれども、重複する科目があるために、科目の一部が免除されたり、免除されなくても勉強がしやすかったりする士業もあります。
私が行政書士登録申請した理由
私が行政書士登録申請をした理由には、「相続」があります。
相続について税理士が関わるのは、やはり「相続税」が絡む時です。
- 財産額が基礎控除額を超えるから、相続税申告をお願いしたい。
- 相続税がいくらかかりそうかシミュレーションしてほしい。
- 相続税がたくさんかかりそうなので、対策を提案してほしい。
- 相続対策のために贈与をしたので、贈与税申告をお願いしたい。
しかし、平成27年の相続税大改正で相続税がかかるようになった人の割合が増えましたが(日本全体で約4%→約8%)、それでも相続税には無縁という方はまだまだ多いように感じます。
「相続」でやることは「相続税申告」だけではありません。
- 戸籍の収集
- 遺産分割協議書の作成(遺言書が無い場合or遺言書通りに分けない場合)
- 不動産の相続登記
- 財産の名義変更
- (相続前)遺言書作成(+そのための戸籍などの収集)
これらは税理士であっても関われなくはありませんが(登記は司法書士でないといけませんが)、行政書士資格がない税理士だと、
- 戸籍の収集
→代行しにくい(委任状を使えばできなくもありませんが、判を押してもらう必要がありますし、職権での取得は税務申告に必要な場合にしかできません)。 - 遺産分割協議書の作成→できない(相続税申告が必要な時しか作れない)。
- 財産の名義変更→戸籍や遺産分割協議書が必要なので、代行しにくい。
- 遺言書作成→戸籍を集めにくい(理由は上の通り)ので、戸籍集めはお客様にお願いしなければならない。
といった制約が出てきます。
相続の相談をお受けして、お話をよくよくお聞きすると、相続税申告は不要で、遺産分割協議書の作成や財産の名義変更などを必要としている方も多いです。
相続税申告の要否に関わらず、また相続税申告だけでなく、相続に関する様々なサポートやご相談ができるようになりたい(資格上の制約を少しでも無くしたい)と思い、行政書士登録することにしました。
もっと言うと、税理士資格を持っていれば無試験で登録できるというメリットがあるなら、それを活かさない手はないと思ったのも理由です。
行政書士登録に必要なもの(税理士の場合)
税理士が行政書士登録をするには、たくさんの書類が必要ですし、お金もそれなりに必要です。
- 登録申請書
- 税理士証票(顔写真付きのカード)
- 身分証明書(本籍地のある自治体で取れます)または特別永住者証明書などのコピー
- 住民票
- 履歴書
- 税理士会が発行する登録証明書
- 誓約書
- 事務所建物の謄本または評価証明書(賃貸の場合はさらに賃貸借契約書も必要です)
- 地図(最寄り駅からの道順)
- 平面図(事務所内の配置図)
- 写真(建物全景や入口付近、事務所への経路、事務所内)
- 会員届
- 誓約書(地域会向け)
- 証明写真(計6枚、うち4枚は登録申請書や履歴書に貼る)
必要な金額は下記の通りです。
- 収入印紙:30,000円分(申請前に購入し、貼らずに持っていく)
- 登録申請手数料:25,000円
- 入会金預かり金:250,000円(申請が通過したら入会金に充当してもらえます)
- 会費:月5,500円
- 必要諸物品費:10,000円(バッジや証票、請求書・領収書、規程集などだそうです)
- 支部年会費:0~12,000円(支部によって異なります。私が所属する予定の北支部は年6,000円です)
- 合計:約32~38万円(入会月や支部によって異なります)
その他、職印(角印)や表札の用意も義務付けられていますので、もう少しお金がかかります。
税理士登録と比べると、初期費用は高いですが、年会費は安いという感じがします。
(登録費用や入会金などは約15万円ですが、地域会の年会費は82,800円・支部年会費は25,000円前後(今まで経験したところだと)と少しお高めです。)
書類の多さ・ややこしさは、どっこいどっこいと言ったところです。
登録審査では、書類提出・入会金等の支払いの後、現地調査があるそうで、既に予約をしました。
(税理士会では、面談があります。)
上手くいけば10月中旬には登録が完了する見通しです。
まとめ
行政書士で出来ることは色々あり、これからどうなるかは分かりませんが、しばらくは相続関連業務に特化するつもりです。
せっかく登録するのだから、仕事の幅を広げていければと思っています。