役所でもらえる相続便利グッズ(主に不動産関係)

 
【相続手続き代行についてはこちら】
相続106

 

役所(市・区役所や町・村役場)は、相続税申告をする上で、情報の宝庫です。

私が役所でよく取得している相続税申告のための「便利グッズ」をご紹介したいと思います。

 

固定資産評価証明書・名寄帳

不動産の評価をする上で必須の資料です。

お手元に届く「固定資産税納税通知書」と内容は同じですので、無くても絶対に相続税申告ができないということはありませんが、これらを取得することで次のようなメリットがあります。

  • お手元に届く「固定資産税納税通知書」には載っていない、共有の不動産や固定資産税が非課税・免税となる不動産が網羅できる。

これについては、下記の記事もご参照ください。

固定資産税の納税通知書だけでは相続税申告には不十分な3つの理由

名寄帳は無料で取れるところが多いですが、固定資産評価証明書は数百円ほど必要です。
「税務課」とか「資産税課」といった部署で取れます。

 

図面類

土地の評価額を算出する上では、縮尺が正確な図面が必要なことが多いです(特に路線価で計算する場合)。

法務局には「地積測量図」という図面があり(ネットからでも取れます)、これを使うことが多いですが、縮尺が不正確で使用に堪えないものも多かったり、そもそも「地積測量図」がない土地もあったりします。

こういう場合に頼るのが、役所にある図面です。

また、その他にも便利な図面がたくさん備え付けられています。

最近ではネットから取れるところも増えてきましたが、そうでない自治体もまだまだあったり、ネットから取れない図面もあったりします。

建築計画概要書

有効な「地積測量図」がないときに、まず頼る資料です(「地積測量図」があっても必ず取得しますが)。

「建築計画概要書」とは、建物を建てる時に「建築基準法にもとづいた内容の建物を建てます」という許可申請を市町村に対して行いますが、その際に建物と土地の関係(土地の中のどの位置に建物を建てるか?)や間口などの距離を測定し、それを記したものを言います。

また、建築主の情報や建物の構造、床面積や敷地面積、工事施工者等の情報(どこの会社が建てたか)等々が載っており、上の図面と合わせて、不動産の評価にとても役に立つ情報が満載です。

ただし、建築当時の情報しか載っていないので、現地との照らし合わせ作業は必須です。

役所の建築関係の部署(「建築指導課」などの名前です)で、数百円で取得することができます。

用途地域図

これはネットから無料で取れることも多いですが、用途地域や容積率、建ぺい率などが載っている図面です。

↓こんな図面です(「○○市 用途地域」で検索するとヒットします)。

容積率については、【広い土地の評価】や【複数の容積率の地域にまたがっている土地の評価】で必要になってきます。

また、「都市計画道路」といって、計画はあるものの、まだ工事が行われていない道路が通る予定の地域かどうかもこれで確認できることがあります(都市計画道路が通る予定の土地であれば、減価の要因になります)。

指定道路台帳(指定道路図)

こちらはネットで取れるところもありますが、役所に行かないと取れないというところもまだまだ多い図面です。

「指定道路」とは、建築基準法の各条項の規定により指定を受けた道路のことを言います。

いくつかある中で、とくに不動産の評価に関わってくるのは、【第42条第2項】の道路です。

これに該当する場合は、「セットバック」と言って、建物を建て替える際には道幅が中心線から2メートルになるように後退しなければならず、その分土地の減価要因となります。

役所でしか取れない場合は、「開発調整課」といった名前の部署に出向き、数百円で取得することができます。

白地図(航空写真)

道路や建物、土地などの輪郭だけを書いた、白い地図(町名などが書いてあることもあります)を言います。

航空写真をもとに作成しているので、土地の境界は分かりませんが、縮尺はわりとしっかりしています。

そのため、地積測量図も建築計画概要書もないときは、この白地図に、自分で測量した距離を落とし込んで、土地の評価に利用することもあります。

これもネットで取れることもあれば、役所でしか取れないこともあります。

 

まとめ

役所は、とくに不動産の評価をする上では欠かせない場所です。

お金は少しかかりますが、それと引き換えに適正な評価に必要な情報が得られますし、最近ではネットから無料で取れることも多くなり、ますます便利になっています。