そろそろ、ふるさと納税の季節ですーいくらまでならお得かざっくり知る方法
2020年も後2か月を切りましたが、今年の収入額がいくらなのか、そろそろ見えてくる頃ではないでしょうか?
そんな季節におすすめなのが、ふるさと納税です。
目次
そもそも、ふるさと納税とは?
そもそも、ふるさと納税とはどんなものか、ざっくり言うと次の通りです。
- 好きな自治体にふるさと納税(寄附)をする。
- その自治体から返礼品が送られてくることがある。
- 【ふるさと納税(寄附)した金額ー2,000円】分、税金が安くなる。
3については、たとえば10,000円のふるさと納税をしたとしたら、税金(所得税・住民税)が8,000円安くなりますので、2,000円の負担で返礼品を買うようなかたちになります。
複数の自治体にふるさと納税した場合は、それらを合算した金額から2,000円を引いた残額分、税金が安くなります。
その人のおサイフから出ていくお金自体は変わらないのですが(それどころか出費が2,000円増えます)、通常であれば2,000円ではとても買えないようなモノが、2,000円の負担でもらえてしまうというのがふるさと納税のざっくりとした説明です。
「2,000円負担」には上限があるーその計算手順
しかし、いくらふるさと納税をしても、2,000円の負担だけで返礼品がもらえるかというと、そういうわけにはいきません。
その年の所得金額に応じて「2,000円負担」で済むふるさと納税の上限額が存在します。
その計算手順について、ざっくりと解説したいと思います。
手順①:所得金額を試算する
まずは、今年の所得金額を試算する必要があります。
サラリーマンの方であれば、今年の支給額(税金や社会保険料を引く前の総額)の予想額を計算し、下記に当てはめます(660万円未満の場合は、別の計算方法があり、そちらの方が正確ではありますが、ざっくりとした計算であればこちらでも構いません)。
給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) |
給与所得控除額 | |
---|---|---|
1,625,000円まで | 550,000円 | |
1,625,001円から | 1,800,000円まで | 収入金額×40%-100,000円 |
1,800,001円から | 3,600,000円まで | 収入金額×30%+80,000円 |
3,600,001円から | 6,600,000円まで | 収入金額×20%+440,000円 |
6,600,001円から | 8,500,000円まで | 収入金額×10%+1,100,000円 |
8,500,001円以上 | 1,950,000円(上限) |
個人事業主の方であれば、【収入ー経費=利益】の予想額を計算します(青色申告をされている方なら、さらにここから10・55・65万円のいずれかを控除します)。
手順②:所得控除額を求める
次に、手順①で試算した所得金額から、個人の事情に合わせた控除(=所得控除)額を差し引きます。
ここは、なかなか計算が難しいですので、家族構成や保険料などの支払が前年と変わらなければ、昨年(2019年分)の源泉徴収票や確定申告書を参照してもいいかと思います。
参照するところは、下記の通りです。
【サラリーマンの場合】
【確定申告をしている人の場合】
手順③:【所得金額】ー【所得控除額】から2つの数値を導き出す
手順①で求めた【所得金額】から手順②で求めた【所得控除額】を差し引きます。
これを使って、ふるさと納税の試算に必要な2つの数値を導き出します。
必要な数値①:自分に適用される税率
下の表に当てはめて、自分がどの税率が適用されるかを知ります。
所得金額ー所得控除額 (千円未満切捨て) |
税率 |
1,949,000円まで | 5% |
3,299,000円まで | 10% |
6,949,000円まで | 20% |
8,999,000円まで | 23% |
17,999,000円まで | 33% |
39,999,000円まで | 40% |
40,000,000円以上 | 45% |
必要な数値②:「住民税の所得割」
「住民税の所得割」とは、【所得金額ー所得控除額】×10%で計算されます(住民税のうち、その人の所得に応じた部分のことを言います)。
実際には、【所得控除額】のところが、所得税と住民税とでは少し違うのですが、ふるさと納税額をざっくりと試算するだけならこれでもいいかなと思います。
手順④:表に当てはめる
最後に、手順③で導いた【税率】を、下記の表に当てはめ、これを下記の通り計算すると、だいたいのふるさと納税の上限額が計算できます。
【住民税の所得割】×上限率(下の表の通り)+2,000円
適用税率 | 上限率 |
5% | 23.5585% |
10% | 25.0657% |
20% | 28.7438% |
23% | 30.0675% |
33% | 35.5195% |
40% | 40.6834% |
45% | 45.3977% |
おそらくほとんどの方が、端数(千円未満の数字)が出るかと思いますが、ふるさと納税はほとんどが千円単位なので、千円未満は切捨てしましょう。
まとめ
ここまで見ていただいたのは、ざっくりとした計算方法ですので、精密な数字を出したい場合は、資料をきちんと用意した上で、税理士さんに相談した方がよいかと思います。