会社で社宅を契約して節税しよう

昨日(4/9)は、個人事業主が自宅の一部を事務所として使用した場合のお話でしたが、今日は会社の場合についてお話したいと思います。

 経費にできる自宅の費用

 

社長の個人宅の一部を会社事務所として使用した場合

昨日のお話と同じように、社長の個人宅の一部屋を会社事務所として使用した場合はどうなるのでしょうか?

この場合、貸主である社長(個人)と借主である会社(法人)とは、「別人格」になりますので、社長(個人)は会社(法人)から賃料を取ることができます。

この場合、会社の方では賃料を経費にすることができますが、社長個人の方ではこの賃料を収入に計上する必要があります(一方、自宅にかかる費用の一部も経費にすることはできます)。

この場合も、会社と社長がそれぞれどれくらい稼いでいるかにもよりますので、賃料を取るのが税金的に有利か不利かは一概には言えません。

 

 

会社が借りた社宅を社長に転貸する場合

では、会社が所有している建物や借り上げた住宅を、社長に社宅として転貸する場合は、どういう扱いになるのでしょうか?

この場合、会社の方は所有建物にかかる費用(減価償却費や固定資産税、火災保険料など)や借り上げ料を会社の経費とすることができます。

一方、会社は社長から社宅の家賃として「一定額」を徴収する必要があります。

徴収すれば、その金額を会社の収入に計上する必要があります。

もし徴収しなければ、社宅の家賃相当額を社長にあげたという扱いになるので、その金額を社長の給料とする必要があります(つまり、社長個人の税金が増えることになります)。

 

一定額」の計算方法は通達で決められていて、

  • 社宅建物や敷地の固定資産税課税標準額
  • 面積
  • 築年数
  • 会社が実際に支払っている借り上げ料
  • 構造

などによって求めることになっています。

会社が第三者から借り上げている場合は、市役所で名寄帳などを取り寄せて、固定資産税課税標準額を調べる必要があります(借主の場合は、賃貸借契約書を持っていくと取り寄せることができます)。

多くの場合、社長から徴収する家賃は、自宅の費用や借り上げ料よりも少なくなりますので、会社にとっては節税となります。

 

 

社長が個人で契約している住宅の家賃を会社が負担してあげた場合

逆に会社ではなく、社長が個人で住宅を借りていて、その家賃を負担してあげた場合はどうなるのでしょうか?

この場合は、家賃相当額を社長に支給していることになるので、「役員報酬」と同じ扱いです。

会社の経費にはなりますが、社長の給与所得も増加します(節税になるかならないかは、やはり会社と社長の稼ぎ次第です)。