退職金もらったら確定申告は必要?
確定申告に関してよくお受けする質問の1つに
「去年、会社を退職して退職金をもらったんだけど、確定申告は必要ですか?」
というものがあります。
退職金に関して、確定申告は必要なのでしょうか?
「源泉徴収票」を見ればわかります!
サラリーマンであれば、年末に1年間の給与額などを記載した「源泉徴収票」をもらうことがありますが、退職金も同じように、退職時に「源泉徴収票」をもらうことがあります。
これを見れば、確定申告が必要か不要かが分かります。
支払金額や源泉徴収されている金額(所得税と住民税)を書く欄が3段ありますが、このうち1段目か2段目に記載があれば、すでに税額の計算が終わっており、確定申告は必要ありません。
しかし、3段目に記載があれば、まだ税額の計算は終わっておらず(仮に20.42%の所得税が源泉徴収されています)、確定申告をすることで税額を確定させる必要があります。
「退職所得申告書」という書類を勤務先に出しているかどうかによって、この違いが生まれます(出していなければ確定申告が必要になります)。
確定申告が不要でも、確定申告をした方がいい場合
退職金に関する税金計算が終わっている場合は、この後何もする必要はないのですが、次にあてはまる場合は、確定申告をした方がお得です。
年の途中で退職した場合
年の途中で退職すると、年末調整が行われていませんので、給料から余分に税金が引かれている可能性があります。
確定申告をすることで、余分に引かれた税金(源泉所得税)の一部が戻ってくる可能性があります。
また、退職後に再就職していなければ、収入が下がっている可能性があり、そうなると、【退職金以外の所得】<【所得控除額】となっている可能性もあります。
引ききれない所得控除額については、退職所得からも控除できますので、さらに税金が戻ってくる可能性があります。
事業が赤字の場合
退職後に事業を始めるケースもあるかと思いますが、初年度は赤字となることも少なくはありません。
その事業で赤字が出た場合は、退職所得と相殺できることがあります。
まず、他の所得(給与や年金など)と相殺させ、それでも赤字が残るようであれば、退職所得と相殺が可能です。