税理士試験体験記・私の場合①

このブログを始めて、間もなく半年が経過しようとしていますが、ここに来て
初めて「税理士試験」について書きたいと思います。

主な内容は、下記の通りです。

  • 税理士試験とは?
  • どうやって税理士になったか?
  • 私の勉強方法・受験生活・心構えなど
  • 税理士試験に対する私の考え方

私の体験談が、今勉強されている方にとって少しでも参考になれば幸いです。

 

税理士試験とは?

本題に入る前に、税理士試験の制度についてお話したいと思います。

この記事を見ていただいている方の中には、税理士試験の受験生やこれから税理士試験に
挑戦しようと考えている方もいらっしゃるかと思います。

そんな方には、改めてこんな説明は必要ないかもしれませんが、ご存じない方のために
説明したいと思います。
(ここでは、税理士試験を経て税理士になる方法について説明します。)

受験資格

税理士試験に挑戦するには、受験資格が必要です。
様々なパターンがありますが、主に以下のようなものがあります。

  • 日商簿記検定1級または全経簿記検定1級合格者
  • 大学などで法律か経済の科目を最低1つ履修して、卒業または62単位以上取得した人
    (私はこのパターンです)
  • 【税理士事務所などでの補助事務】【会社などでの会計事務】【税務署などでの税金に関する事務】【銀行などでの資金の貸付や運用の事務】のいずれかを2年以上経験した人
  • 公認会計士の短答式試験や司法試験に合格した人

受験科目

税理士試験は、「科目合格制」です。
11ある科目の中から5科目を選択して合格すればよいことになっています。

また、5科目を年に1回の試験で一度に受ける必要も、受かる必要もなく、

  • 毎年1科目ずつ、5年かけて合格
  • 1年目:2科目合格、2年目:2科目合格、3年目:1科目合格
  • 1年目:3科目合格、2年目:2科目合格

というように、とにかく累計の合格科目数が5になればOKな試験です。
(しかも、一度受かった科目は生涯有効です。)

そのため、働きながら受験している人も多いです。

11科目の構成は、以下のようになっています。
(一部、必須科目や選択必須科目、どちらか1つしか選べない科目などの制限はあります。)

分類 科目 備考
会計科目 簿記論 この2科目は必須科目です。
財務諸表論
税法科目 国税 法人税法 この2科目の中から1科目以上選択する必要があります(両方受けてもOK)。
所得税法
消費税法 この2科目は、どちらか1つしか受けることができません。
酒税法
相続税法  
国税徴収法  
地方税 事業税 この2科目は、どちらか1つしか受けることができません。
住民税
固定資産税  

 

つまり、会計科目2つと税法科目3つに合格すればよいわけです。
なお、大学院で修士論文を執筆して「国税審議会」で認定された場合などは、
一部の科目が免除される制度もあります。

  • 会計学→会計科目を1つ免除
  • 法律学→税法科目を2つ免除
  • 会計学と法律学の両方で論文を執筆した場合は、会計:1科目 税法:2科目の計3科目免除

そのため、大学院を経ることで、試験を受けるのは2科目や3科目でよいことになります。

合格点数は100点満点中60点と公表されています。
しかし、例年どの科目も合格率が10~20%で推移していることから、実際には競争試験
(上位10~20%の人が受かる試験)です。

 

私はどうやって税理士になったか?

次に私の場合はどうやって税理士になったかについてお話したいと思います。

プロフィールにも書いていますが、もともと大学で会計や法律などを専攻していたわけではなく、
大学卒業後は印刷会社に営業として就職していました。

しかし、営業には向いていないと感じ、わずか4か月で退職してしまいました。

再就職のためには、何か資格を取らなければと思い、数学が得意な方だったこともあり、
まずは日商簿記検定3級を勉強し、合格しました。
(簿記の資格を持っていれば、どこへ行ってもツブシが効くと思っていましたので)

その後、続けて2級にも合格し、ここまで来たら、次は税理士に挑戦してみようと
思い、2007年9月から勉強を開始しました。

なお、専門学校での税理士試験の講座が始まる9月までの半年ほど、日商簿記検定1級の
商業簿記だけ勉強していたこともあります。

大学での履修科目のおかげで受験資格は持っていたので、簿記1級に受かる必要は
無かったのですが、中途半端に期間が出来てしまったのと、最初に受ける簿記論・財務諸表論の
予習の意味で勉強していました。
(今から思えば、これが効果を発揮したような気がします。)

 

私の受験歴

1年目(2007年9月勉強開始~2008年8月受験)
 簿記論  →〇
 財務諸表論→〇

まずは、会計科目のダブル合格に挑戦しました。
事前に簿記1級をやっていたこともあり、入っていきやすく、すんなり受かることが
できたように思います。

 

2年目(2008年9月勉強開始~2009年8月受験)
 消費税法 →〇
 固定資産税→〇

2年目は、法人税法(私が通っていた専門学校は所得税法の先生が在籍していなかったので、
法人税法を選ぶ人が多かったです)には必ず受からないといけないので、まずそちらからに
しようかとも考えました。

しかし、法人税法はボリュームが多く、合格科目を1個でも多く積み上げたいと思ったので、
消費税法と、勉強量の負担が少ない固定資産税をダブル受講しました。
(固定資産税は2009年1月から勉強開始)

 

3年目(2009年9月勉強開始~2010年8月受験)
 法人税法 →〇

選択必須科目が残ったのと、通っていた専門学校では所得税法の先生がいなかったのとで、
自然と法人税法を選択することになりました。

1,2年目はアルバイトをしながらの受験生生活でしたが、3年目はアルバイトもせず、
完全に受験に専念していました。

法人税法はボリュームがも多く、難易度も高いので、勉強漬けで行かなければ受からないと
考えたのと、とにかく1年でも早く受かりたかったのが、その理由です。

崖っぷちで受験したおかげなのか、3年で受かることができました。

 

その後

2010年12月に税理士試験の合格証書をもらった後、縁あって兵庫県姫路市の会計事務所に
就職。2年間の実務経験を経て、2013年10月に税理士登録をすることができました。
(先に税理士試験に受かってから会計事務所業界に入った、珍しいタイプです(多分)。)

 

まとめ

少し長くなったので、続きは明日(5/26)書きたいと思います。
明日は、私がどのような勉強をしていたかや、税理士試験に対する考え方などを
書きたいと思います。