合同会社の設立の仕方ー「会社設立freee」で実際に設立してみた
前回に引き続き、合同会社の話です。
今回は、合同会社の設立の仕方を、私の例をもとにお話したいと思います。
合同会社の設立の仕方ー私の場合
私も、税理士事務所開業に当たって、事務所と併設する形で、「合同会社MTOコンサルティング」を立ち上げました。
税務顧問や決算・申告業務以外の業務(コンサルティングなど)をこちらでお受けすることにしています。
会社の設立では、freee社の「会社設立freee」を利用しました。
通常は連絡先などを登録する必要がありますが、Googleアカウントなどを持っていれば、それでログインすることができます。
では、手順を紹介していきましょう。
用意するもの
会社設立を進めていく際に、準備しておくもの・ことがあります。
事前に用意しておいてもいいですし、進めながら準備してもいいです(会社設立freeeでは、必要な時に必要なものを教えてくれます)。
- 会社の実印
- 個人の印鑑登録証明書
- 資本金額の入金と、入金した口座の写し(銀行名・支店名・口座番号・名義が分かるページと、入金額・入金日が分かるページが必要です。通帳のコピーでも、ネットバンキングからの出力でもOKです)
- CD-R
手順① 必要な情報を入力する
まずは、会社に関する必要な情報を入力していきます。
会社の商号、住所、連絡先(携帯でOKです)、代表者名、事業内容、資本金額、事業年度(何月何日~何月何日)、公告の方法を入力していきます。
この中で「事業内容」は、会社の定款や登記簿謄本で、「事業目的」として載ってきます。
何を列挙すればいいか難しいかもしれませんが、業種などから選択していくと、ちょうどいいものを見繕ってくれます。
やるかもしれない業務を多めに選択しておくといいでしょう。
次に、「定款の認証方法」を選択します。
「定款認証」とは、定款(会社のルール)が正しい手続きに従って作成されたことを公証役場が証明する手続きです。
「会社設立freee」では、ここまで入力してきた情報に基づいて定款の原型が出来上がっています。
それを認証してもらうわけですが、通常ですと、この時4万円の収入印紙が必要になります。
しかし、「電子定款認証」という手続きであれば、この4万円が不要になります。
「会社設立freee」では、以下のどちらかの方法で、「電子定款認証」ができます。
- 専門家(行政書士)に5,000円を代行手数料として支払って、やってもらう。
- 「会計freee」の年間契約を結んで、無料で専門家にやってもらう。
私は5,000円を支払って、行政書士にお願いしました。
なお、自分でもこの電子定款認証の手続きはできるようですが、必ず公証人役場には出向かなければならず、事前の打ち合わせなども必要なので、行政書士に依頼した方がいいと思います。
定款の内容確認とアップロード
次に、定款の内容を確認した上で、電子定款認証をお願いするために定款データと個人の印鑑登録証明書のPDFをアップロードします。
アップロードしたら、代行手数料が必要な場合は、指定の口座に5,000円を振り込みます。
データのアップロードと振込が確認されてから、3~5営業日で、行政書士による定款電子署名が完了します(その間に、定款の内容について質問のメールが来ることもあり、必要に応じて校正作業が行われます)。
完了したら、出来上がった定款をダウンロードします(その時に、資本金額の入金や通帳等のコピーの用意もします)。
書類を準備して法務局へ
次に、書類等を準備して、法務局へ出向きます。
アップされた登記書類を印刷し、会社や個人の実印を押します。
また、認証済みの定款ファイルをCD-Rに焼いて、提出する必要があります(出しっぱなしになります)。
「持ち物リスト」にあるものを用意(登録免許税として現金6万円が必要です)して、表示された管轄の法務局に資料を持ち込みます(郵送も可)。
これで手続きは完了です。3日ぐらいで会社の謄本があがってきます。
この時、会社の謄本と印鑑登録証明書と印鑑カードの発行もしておきましょう(この後の手続きで必要になります)。
そのための書類も「会社設立freee」から出力可能です。
会社設立後の手続き
会社が出来上がったら、次のような手続きが必要です。
手続き・書類 | 届出先 | 備考 |
開業の届出 | 税務署 都道府県税事務所 市役所 |
・e-TaxやeLtaxで届出をするには、事前に「開始届」が必要です。 ・必要な書類:定款や登記簿謄本の写し(電子ならPDF添付で可) |
・健康保険・厚生年金保険新規 ・健康保険・厚生年金保険 ・健康保険被扶養者(異動)届 |
年金事務所 |
・社会保険の扶養に入れる家族がいない場合は、「健康保険被扶養者(異動)届」は不要です。 ・必要な書類:登記簿謄本、法人番号指定通知書のコピー(国税庁HPから出力しても可) |
法人口座の開設 | 金融機関 | 金融機関によって必要な書類は異なりますが、登記簿謄本や開業届の写しが必要になることが多いので、開業届をした後の手続きとなります。 |
それぞれの手続きで、登記簿謄本や法人の印鑑登録証明書などが必要になりますので、法務局で登記が完了したらこれらを複数部取っておいてもよいかもしれません(原本を還付してくれるところもあるので、事前に確認しておきましょう)。
行政機関では4か所にそれぞれ届出を行わないといけないので、とても面倒です。
ちなみに、今年の1月20日から、行政機関への開業の諸届けをワンストップでできる制度が始まっています。
https://app.e-oss.myna.go.jp/Application/ecOssTop/
マイナンバーカードとカードリーダーがあれば、簡単な質問に答えるだけで法人設立後のさまざまな手続きができるという触れ込みです。
これから法人を設立される方は、よければ試してみてください。