期限ギリギリではなく、早めに申告を済ませるメリット

 
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相続106

 

事業を営んでいると、常に書類の提出期限に追われることになります。

  • 会社の決算→決算日から2か月以内
  • 個人の確定申告→3月15日まで(消費税は3月31日)
  • 法定調書合計表や給与支払報告書、償却資産申告→1月31日まで
  • 源泉所得税や特別徴収住民税の納税→天引きした月の翌月10日まで(半年に1回の納税にすることも可能です)
  • 算定基礎届→7月10日まで

※土日祝日と被った場合は、翌平日が期限になります。

ふだんの仕事の忙しさにかまけて、期限ギリギリに提出してしまいがちですが、提出可能になったらすぐに提出するようにした方が、何かとお得です。

その理由についてお話したいと思います。

 

早く次のスタートが切れる

特に会社の決算や個人の確定申告について言えることですが、前期(前年)の「締め」を早く済ませることで、気持ちは次の年(進行期)に向かうので、早く次のスタートが切れるというメリットがあります。

前期(前年)の決算がいつまでも終わらないと、気持ちとエネルギーをそちらに割かなければならず、次の年(進行期)に注力することができません。

決算を期限ギリギリに済ませていると、会社であれば次の年度が既に2か月経過していますし、個人事業主であれば2か月半も経過してしまっています。

「前年の決算も終わったことだし、さて次の年は・・・」と思ったら、残り9~10か月ほどしか時間が残されていないという状態です。

また、前期(前年)の数字が分からなければ、次の年(進行期)はどこを目標にするかも見えにくいです。

早く次のスタートが切れるように、前期(前年)の決算はさっさと済ませるべきですし、そのためには日々のこまめな記帳が欠かせません。

 

間違っていてもペナルティ無しで挽回可能

最初に申告した内容が間違っていた場合には、それを修正して申告する必要があります。

  • 修正した結果、税金が減る場合→更正の請求
  • 修正した結果、税金が増える場合→修正申告

という作業をする必要があります。

前者であればまだいいのですが、後者の場合は本来納めるべきだった税金のほかに「延滞税」というペナルティが課されることがあります。

しかし、早めに申告を済ませていて、本来の申告期限までに修正した場合には、修正申告ではなく、「訂正申告」という扱いになります。

「修正」と「訂正」、名前は似ていますが、後者は期限までに行う申告なので、延滞税などのペナルティが無いというメリットがあります。

なるべく間違いがないようにしたいところではありますが、万が一間違いがあってもペナルティ無しで挽回ができるというのは、早めに申告するメリットだと思います。

 

期限ギリギリに申告しようとするとトラブルがあったときに困る

申告だけではないかもしれませんが、期限ギリギリに申告しようとすると、何らかのトラブルに巻き込まれた時に、期限まで時間がないので、とても困ることになります。

私が勤務税理士時代に経験したことなのですが(私だけでなく、会計事務所業界の方々はかなり経験があるのではないかと思いますが)、1月末期限の給与支払報告書提出をeLTAXで期限日にやろうとしたところ、提出(データの送信)が混み合っていて、上手く提出できないというトラブルがありました。

全国的にこういうことが起きていたみたいで、期限後の提出も可という救済措置があったからよかったのですが、それ以来、期限日に申告書を提出するということは極力避けるようになりました(当時紙提出のみだった相続税申告を含めて)。

仮に何らかのトラブルに巻き込まれたとしても、期限日まで日があれば、挽回は可能ですが(上述の訂正申告の話と似ているかもしれません)、期限日当日なら挽回が極めて難しくなります。

最低でも期限の数日前には終わらせるようにしたいところですが、1か月以上あればさらに余裕をもって挽回が可能です(申告の種類によっては、提出可能になった日から期限日まで時間がないものもありますが)。