紙の申告書でも押印が不要になっています(例外あり)
令和2年12月21日に閣議決定された「令和3年度税制改正大綱」において、税務署に提出する申告書などの書類(紙)に押印することについて見直しが行われることになりました。
見直しの内容
見直しの内容は、次の通りです。
- 令和3年4月1日以降は、押印不要。
- 令和3年4月1日以前に押印がされていない申告書などの書類が提出されても、あらためて押印を求められることはしない。
まどろっこしい表現ですが、要はすでに押印なしで申告書が提出できるようになっています。
今回の確定申告を紙で提出する場合でも、押印は不要です。
ただし例外あり
ただし、税務署に提出するすべての書類に押印が不要となったわけではありません。
次の2つの書類については、今まで通り押印は必要です。
逆に言うと、たいていの書類については押印が不要になったとも言えます。
- 担保提供関係書類や物納手続関係書類の中で、実印の押印や印鑑登録証明書の添付が必要なもの
- 遺産分割協議書(こちらも実印の押印と印鑑登録証明書の添付が必要です)
e-Tax・eLTAXならもともと押印不要で、メリットがたくさん
紙で提出する書類に押印が不要になりましたが、電子申告(税務署:e-TAX 都道府県や市町村:eLTAX)であれば、もとから押印が不要でした。
電子申告なら、押印が不要なだけでなく、
- 紙に印刷する必要がなかったり、
- それを郵送したり、税務署などに持ち込んだりする必要がなかったり(添付書類は必要な場合があります)、
と、手間やコスト(紙代やインク代、郵送代、交通費など)の削減につながるというメリットがあります。
また、所得税の確定申告について言うと、
- 還付を受ける人:3週間程度で還付を受けられる(紙なら1,2か月程度かかります)。
- 青色申告をしている人:特別控除額が55万円→65万円と、10万円多めに利益から控除できる。
→所得税・住民税・健康保険料の節約になる。
といったメリットもあります。
最初に設定の手間(マイナンバーカードやID・PWの取得)とコスト(マイナンバーカード方式の場合はカードリーダーが必要)が少々かかりますが、毎年確定申告をするなら、電子申告をしない手はないかと思います。