自分の配偶者(奥さん・旦那さん)に給料を出して経費にしたい場合の対処法

 
【相続手続き代行についてはこちら】
相続106

 

自分が営んでいる事業を配偶者(奥さんや旦那さん)に手伝ってもらっていたり、事業が軌道に乗って利益が出てきたりした場合、配偶者に給料を出して経費にしたいと思うことがあるかと思います。

そんなとき、どのように対処したらいいかを解説したいと思います。

 

個人事業主の場合

個人事業主の場合は、基本的に(同居する)家族に対して支給する給料は経費にすることはできません。

しかし、青色申告をしている場合は、経費にすることが可能です。

ただし、注意点として、

  • 3月15日まで(もしくは関与しだしてから2か月以内)に届出書を税務署に提出していること
  • 6か月超関与していること
  • 片手間ではなく、その事業にかかりっきりになっていること
  • 仕事の内容に見合った給料であること

などがあります。

このように、個人事業主の場合は、配偶者に給料を出すには、様々な要件をクリアしてなければならず、かつ、事業にガッツリ関わってもらわなければなりません。

また、青色申告だけでなく、白色申告でも、事業に関わってもらっていれば、控除を受けられる場合があります。

 

会社の場合

会社として事業を営んでいる場合は、配偶者が従業員なのか、役員(取締役など)なのかで扱いが変わってきます。

なお、個人事業主のように、給料を経費にするために届出書を出す必要はありません(ただし、ボーナスは除きます)。

従業員の場合

取締役などでない場合は、その仕事の内容に見合った給料であれば経費として認められますが、多すぎると経費として認められない場合があります。

そのため、仕事量に見合った給料額を設定するとともに、仕事にどのように関わっているかの「証拠」(タイムカード、日報など)を残しておくことがおすすめです。

なお、配偶者の議決権割合が5%を超える場合は、従業員という身分であっても、税金の計算上は「役員」扱いになり、給料も後述のように扱われることがあります。

役員の場合

取締役などである場合は、仕事の内容に関係なく、経費として認められやすいです。

会社との関係で言うと、従業員は「雇用契約」であるため、働きに応じた給与である必要がありますが、役員は「委任契約」であり、役員としての職務を果たしていれば仕事量に関係なく報酬がもらえるという契約であるためです。

とは言っても、非常勤役員という扱いであれば、多額の役員報酬は経費としては認められにくいです。

また、役員報酬の場合は、よほど業績が悪化しない限りは、毎月同額にしておかなければ、一部経費として認められない部分が出てきます。

なお、株式会社の場合は、配偶者を取締役に追加するには、株主総会での決議(書面上でもOKです)や法務局での登記手続き(登録免許税として最低3万円が必要です)をする必要があります。

合同会社の場合は、「社員」(株式会社で言うところの「株主兼取締役」です)になる必要があり、社員になるには出資してもらう必用があります。

出資(=増資)してもらう場合も法務局での登記手続きが必要であり、登録免許税が最低3万円は必要になるので、途中から役員に追加するのであれば、持分(株式会社で言うところの株式)を一部贈与することをお勧めします。