10人未満の会社には「納期特例」がおすすめ・・・ですが、注意点もあります
以前、常時雇用している従業員が10人未満の会社であれば、源泉所得税や個人住民税の支払いを【毎月1回】から【半年に1回】にできるという、「納期特例」のお話をしました。
また、住民税については、最初に1年分をまとめて納税することも可能です(あとから給与天引きで回収する)。
住民税については今月10日の支払期限(6~11月分)が迫っており、源泉所得税も来月20日に支払期限(7~12月分)が迫っています。
支払の手間を減らすことができるというメリット(計24回→計4回または3回)がありますが、一方で注意すべき点もあります。
納税資金をきちんと確保しておきましょう
注意点の1つは、「納税資金」です。
毎月納付であれば、手間こそかかりますが、1回の納税額は少ない(給与の額や会社の規模にもよりますが)ので、キャッシュフローに与えるインパクトはそこまで大きくはないです。
一方、納期特例では、半年分の納税を一度に納税しないといけないので、一度にお金が飛んでいくことになります。
「納税はまだ先だから」とのんきに構えていると、期限が迫ってきたときに焦ることになりますので、注意が必要です。
きちんと納税資金は確保しておきましょう。
また、住民税を最初(6~7月頃)に1年分まとめて支払うと、その後のキャッシュフローが苦しくなることがありますので、こちらも注意が必要です。
なお、毎月納付でも、納期特例でも、トータルの納税額は変わりません。
従業員が退職すると手続きがやっかい(住民税の話)
ひとり社長の会社や、家族だけでやっている会社なら問題にはなりにくいですが、他人を雇っている会社であれば、住民税については注意が必要なことがあります。
それは、最初(6~7月頃)に1年分まとめて支払っている場合です。
会社は、最初にまとめて従業員の住民税を支払っておいて、あとから給与天引きで回収していくのですが、途中で退職をされると立て替えた住民税を取りっぱぐれてしまうことがあります。
では、そのまま永遠に戻ってこないのかと言うと、そうではなく、手続きをすることで戻してもらうことはできます(そのあと、退職従業員にあらためて市町村が課税をするのですが)。
しかし、その手続きの手間がかかりますし、早急に対応してくれるわけでもないので、すこしやっかいです。
1年分まとめて支払いは、手間はかなり減らせるものの、ひとりで(あるいは家族だけで)経営しているのでなければ、やめといた方がいいかもしれません(キャッシュフロー的にもよくありませんので)。
なお源泉所得税は、後払いしか選択肢がありませんので、気にしなくていいです。