確定申告のタイプ別・会計処理のしかた

これまで、事業や不動産賃貸などを行っている人の確定申告には、大きく分けて2つ、細かく分けると3つのタイプがありました。

  • 青色申告
    ・65万円控除
    ・10万円控除
  • 白色申告

2020年分の申告からは、青色申告に「55万円控除」というものが加わりました。

2020年分の確定申告から青色申告が変わる!-65万円控除を維持したいなら電子申告をしましょう

届出の有無や事業内容などによって、どこに分類されるかが変わってきますが、さらに会計処理や申告のしかたによっても分類が左右されてきます。

 

確定申告はどのタイプになる?

大きく分けると2つ、細かく分けると4つのタイプに分類される確定申告ですが、どのタイプに分類されるかについてフローチャートで整理したいと思います。

:Yes :No

 

青色申告の65万円控除・55万円控除を受けるには複式簿記で経理が必要

不動産賃貸をしている方の場合は、賃貸事業の規模も関係はしてきますが、10万円と65万円・55万円を分ける差は「複式簿記」で経理しているかどうかがカギになってきます。

「複式簿記」とは、1つの取引を、「使い道」と「その出どころ」の2つに分け、それぞれ記帳するやり方です。

昔はすべて手書きだったようですが、いまはパソコンで処理されるようになっています。

エクセルで記帳することもできなくはないようですが、「使い道」と「その出どころ」の2つに分けて、それぞれを集計できるように設定するのが大変なので、通常は会計ソフトを使われることが多いです(会計ソフトに読み込むための元データをエクセルでつくることはよく行われています)。

 

青色申告の10万円控除/白色申告の場合もかんたんな帳簿をつくる必要がある

青色申告の10万円控除や白色申告の場合は、会計ソフトなどで処理する必要はありませんが(会計ソフトで処理しても問題はありません)、かんたんな帳簿はつくる必要があります。

たとえば、私が所属している近畿税理士会が、「記帳指導」(記帳のしかたを税理士が無料で教える事業)を担当する税理士の教材のために用意している様式だと、こんな感じです(ほかにも、国税庁のHPなどでも様式が用意されています)。

簡易帳簿①
簡易帳簿②

これに【年月日】【取引相手】【取引内容】【金額】を入れていくだけなので、お小遣い帳感覚で記帳できます。

最初にこのような表をエクセルなどでつくる必要はありますが、エクセルが普通に使えれば、そこまで難しくもないかと思います。

  • 事業を大きくしようとは考えていない人
  • 会計ソフトなどにお金をかけたくない人

青色申告をしている方の中でこれらに該当する方には、選択肢として検討してもよい方法かと思います。