「決算書をご用意ください」と言われたときに用意するもの

お金を借りるタイミングや決算が終わるタイミングなどで、金融機関から必ず求められることの1つが、「決算書」の提出です。

ひとくちに「決算書」と言いますが、その中身は多岐にわたります。

顧問税理士さんに年に1回決算書をつくってもらっているけど、その中身をよく見たことがない、という方も中にはおられるしれません。

 

「決算書」の中身

「決算書」と呼ばれるものには、狭義の「決算書」と広義の「決算書」とがあります。

狭義の「決算書」の中身

狭義の決算書は、いわゆる会計システムなどから出力できる「決算報告書」と呼ばれるもので、その構成は以下の通りです。

書類 内容
貸借対照表 決算日時点の会社の資産・負債の残高表です。
損益計算書 1年間の業績表です。
製造原価報告書 1年間に販売した製品の製造原価をあきらかにする表です(製造業のみ作成)。
株主資本等変動計算書 純資産(資産ー負債)の構成と1年間の変動額・変動理由をあらわした表です。
キャッシュフロー計算書 1年間の現預金の増減とその理由をあらわした表です。
一定規模の会社や特定業種には、作成が義務付けられています。
個別注記表 上記の資料や会計処理方法などについての補足情報をまとめたものです。

 

広義の「決算書」の中身

広義の決算書は、上記の「決算報告書」に加えて、下記のいわゆる「申告書類」が含まれます。

書類 内容
勘定科目内訳明細書 各勘定科目の内訳をあらわした書類です。
法人事業概況説明書 会社の業務や業況、社内の状況などをまとめた書類です。
法人税申告書 法人税を計算する書類です(地方法人税の申告書を含んでいます)。
消費税申告書 消費税の納税義務がある場合のみ。
都道府県民税申告書 事業税、特別法人事業税/地方法人特別税の申告書を含んでいます。
市町村民税申告書 東京23区の場合は、都民税申告書のみでOKです。

このように、個人事業主と違って会社の場合は、申告書類が多岐にわたります。
そのため、個人事業主であれば自分で申告する人も多いのですが、会社の場合は税理士に依頼するケースの方が多いです。

通常、金融機関から「決算書をご用意ください」と言われたら、広義の決算書を用意する必要があります。

 

電子申告をしている場合は、「メール詳細」も忘れずに

申告書を紙で提出している場合は、控え(税務署などの受領印が押してあるもの)をコピーすればいいのですが、電子申告をしている場合は、「メール詳細」を出力したものを忘れずにつけるようにしましょう。

「メール詳細」とは何かと言うと、「電子申告で提出した申告書のデータを税務署(または自治体)にて無事受け付けましたよ」というお知らせです。

紙提出で言うところの「受領印」にあたります。

第7期決算書

e-Tax(税務署提出分)のweb版から出力したものだとこうなります。

20200109-1令和元年分確定申告書201020_115006

e-Taxソフトから出力だと、こんな感じです。

償却資産申告書(R2.1月分)-3201020_115416

地方税の場合はこんな感じです(eLTAXから出力)。

 

まとめ

税理士さんからつくってもらった決算書を全部コピーして、そのまま渡せばいいのかもしれませんが、それぞれの書類にどんな意味があるのかを知ってもらえれば幸いです。