自宅で独立開業してよかったと思う3つのこと

私事ですが、昨年11月に独立開業して間もなく1年になろうとしています。

独立しようとしたとき、色んな人(先輩税理士、会計ベンダーの方など)から「事務所は借りた方がいいよ」「事務所を構えてないと信用されないよ」と言われ、私自身も事務所を借りる方向に傾いたこともありました。

しかし紆余曲折があり、自宅マンションの一室に事務所を構え、今に至っています。

私が自宅で独立開業してよかったと思うことをまとめてみました。

店舗や事務所が必須な業種もあるので、すべての方の参考になるわけではありませんが、独立開業を考えておられる方に、こういう視点もあるというのを知っていただければ幸いです。

 

固定費(家賃・人件費など)がかからないから、仕事が選びやすい

自宅で独立開業してよかったと思うことの一番は、固定費(家賃・人件費など)がかからないので、比較的好きな仕事を選びやすい点です。

事務所を借りると、仕事の有無に関係なく、毎月家賃がかかってきます。

その家賃を支払うために、やりたくない仕事を取らないといけなかったり、仕事を低価格でたくさん受けないといけなかったりしたかもしれません。

また、たくさん仕事をこなすなら、人を雇う必要も出てくるので、その人件費をまかなうために、また仕事を取ってきて・・・のループになっていたかもしれません。

税理士事務所はそのようにして【拡大】していくのが【業界の常識】なのかもしれませんが、固定費のためにあくせくしたり、ストレスを溜めたりするのは嫌だったので、私はそうしませんでした(やろうとしてもそんなに仕事を取れなかったかもしれませんが)。

事務所を借りてなければお客様から信用していただけない、という意見もあるかと思いますが、私の場合は、自宅開業していることで敬遠されてしまうのであれば、ご縁が無かったと思ってあきらめています。

現状、まだ収入がそこまで安定はしていないので、完全に好きな仕事だけで食べているわけではありませんが、それでも「やりたくないな」と思った仕事は取らずに済んでいます。

自宅で開業することで、逆に自宅の経費(自宅の減価償却費、水道光熱費、固定資産税、通信費など)の一部を事業経費に入れられるというメリットも享受しています。

 

初期投資が少なくて済んだ

初期投資が少なくて済んだことも、自宅開業してよかったと思うことの1つです。

事務所を借りていれば、敷金・礼金や仲介手数料、内装工事費、応接セット、書棚、机・いすなどを揃えなければならず、最初に結構な額のお金が飛んでいたかもしれません(レンタルオフィスならもう少し抑えられたかもしれませんが)。

自宅開業であれば、まず敷金・礼金や仲介手数料、内装工事費などは不要です(開業にあわせて新たに自宅兼事務所を借りるのであれば別ですが)。

私の場合は、お客様を事務所内には招くことはないので、さらに応接セットは不要でしたし、書棚や机・いすは元々持っていたものを流用しました(いすは少し硬くてお尻が痛いのですが・・・)。

独立開業の際にした大きな買い物といえば、ノートパソコンとプリンター、収納器具(ワゴンなど)、会計ソフト(弥生会計)くらいです。

税務ソフトについては、法人税等の申告のみ、JDLの「IBEXクラウド組曲Major」を使っています。
年間7万円弱(使用するソフトの取捨選択により変動)で使える上に、開業5年未満の事務所なら一般の会社5社まで3年間無料で使える「トライアル」の提供が今年からはじまっており、これを最大限活用させてもらっています。

また、それ以外の業務(相続税申告、確定申告、届出など)については、国税庁が提供している「e-Taxソフト」や地方税用の「eLTAX」など、無料のソフトを活用しています。

税理士事務所だからこれだけで済んだと言われるとそれまでですが、初期費用を抑えられたからこそ比較的気軽に独立できたと言えますし、独立後もお金の心配を少なくできたと言えます。

 

好きな時間に仕事ができる

自分の家なので、しかもひとりで仕事するので、働く日時を自由に選ぶことができます。

  • お客様の都合に合わせて土日や夜に動いたり(相続関係の仕事をやろうとすると、特に土日や夜に動けると強いです)、
  • その代わり平日や午前中は休んだり、
  • 家の用事(子どもの学校や幼稚園への送り迎え、買い物など)をしたり、
  • 気が向かないときは休んだり、
  • 気力・体力が十分なときは集中して仕事をしたり、
  • 平日に遊びに行ったり、

など、完全に自分の裁量で仕事をすることが可能です。

これが人を雇っていたら、たとえ自分が経営者であると言っても、人の目があるのでこのようなことを堂々とやるのは難しかったかもしれません。

また、固定費をまかなうために仕事をたくさんこなさないといけないなら、こんな仕事のしかたは難しかったかもしれません。

とくに私のような子育て世代の方(私はあまり真面目に子育てに取り組めていませんが・・・)には、このような働き方ができる自宅開業はとてもおすすめです。