経営セーフティ共済や小規模企業共済からもお金を借りることができます!

昨日(7/8)、生命保険の「契約者貸付」の制度をご紹介しました。

似たような制度が、「経営セーフティ共済」や「小規模企業共済」にもありますので、こちらもご紹介します。

いずれも、コロナを受けての特例措置も設けられています。

 

経営セーフティ共済

経営セーフティ共済は、そもそもが取引先の倒産による売掛金の回収不能リスクに備えるためのものですので、こういう時こそ利用する価値があります。

また、取引先が倒産していなくてもお金を借りることができます。

取引先が倒産している場合(共済金)

取引先が倒産している場合は、【被害額】と【掛け金総額の10倍】のどちらか少ない金額まで借りることができます(50~8,000万円までで、5万円刻み)。

返済期間は下記の通りで、無利息・無担保・無保証です。

借入額 返済期間
(6か月間の据置期間を含む。均等返済)
5,000万円未満 5年
5,000万円以上6,500万円未満 6年
6,500万円以上8,000万円未満 7年

※その代わり、借入額の10%が払い込んだ掛け金から控除されます。

ただし、倒産日から6か月を経過してしまうと借入の手続きが出来なくなりますので、要注意です。

取引先が倒産していない場合(一時貸付金)

掛け金の納付月数が12か月分以上であれば、取引先が倒産していなくてもお金を借りることができます。

借りられる金額は下記の通りです(30万円以上、5万円刻み)。

掛金納付月数 借入限度額
1~11か月 0円
12~23か月 掛け金総額×75%×95%
24~29か月 掛け金総額×80%×95%
30~35か月 掛け金総額×85%×95%
36~39か月 掛け金総額×90%×95%
40か月以上 掛け金総額×95%×95%
掛け金総額が800万円の場合 760万円

ただし、利息(年0.9%)は前払いで、1年後に一括返済しなければならない点には要注意です。

解約

さらに、40か月以上掛け金を支払っている場合は、解約しても掛け金総額の100%が返ってきます。

コロナ対策の特例措置

共済制度を運営している「中小企業基盤整備機構」に申し出をすれば、共済金や一時貸付金の返済を6か月間猶予してもらうことができます。

延滞利息はかかりません。

 

小規模企業共済

小規模企業共済についても、同じように借入をすることができます。

全部で7種類の貸付制度がありますが、そのうちの2つについてご紹介します。

一般貸付制度

掛け金総額の範囲内(7~9割)で、10~2,000万円(5万円刻み)を借入することができます。

借入額 借入期間(選択可)
100万円以下 6か月、12か月
105~300万円 6か月、12か月、24か月
305~500万円 6か月、12か月、24か月、36か月
505万円以上 6か月、12か月、24か月、36か月、60か月

借入期間が6か月又は12か月の場合は期間終了後に一括返済、24か月以上の場合は6か月ごとに均等返済です。

利息は年1.5%です。

緊急経営安定貸付

売上が一時的に減少して資金繰りが困難になった時に、一般貸付よりも低金利(年0.9%)で借り入れすることができます。

借りられる額は、掛け金総額の範囲内(7~9割)で、50~1,000万円(5万円刻み)です。
借入期間は下記の通りで、6か月ごとの均等返済です。

借入額 借入期間
500万円以下 36か月
505万円以上 60か月

 

コロナ対策の特例措置

1か月の売上高が前年または前々年に比べて5%以上減少した場合は、下記の条件で借り入れをすることができます。

  • 借入可能額:掛け金総額の範囲内(7~9割)で、50~2,000万円
  • 借入期間 :500万円以下→48か月 505万円以上→72か月(いずれも据置期間12か月含む)
  • 無利息
  • 返済方法 :据置後、6か月ごとの均等返済

また、既にお金を借りている場合(4/7時点)には、1年間延滞利息を免除してもらうことができます(売上減少の条件は上と同じ)。

 

まとめ

経営セーフティ共済や小規模企業共済は、平時には節税に役立ち(掛け金全額が経費になります)、緊急時には低金利で借り入れ可能な、とても良い制度です。

さらにコロナ対策の特例措置により、より便利になっています。

まだ加入されていない方は、コロナが落ち着いたら、ぜひ加入を検討してみてください。

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