中間納税のための「仮決算」のススメ

12月決算の会社や個人事業主の方は、昨日(6/30)で半期が終了したことと思います。

半期が終了したところで気になるのが、法人税や所得税、消費税の「中間納税」です。

この中間納税額は、基本的には前年の納税額を基に計算され、税務署などが納税額を印字
した納付書を送ってきてくれます。
(個人事業主の方で振替納税を利用されている場合は、決まった日に振替が行われます。)

その納付書を使って納税することが多いかと思いますが、違う方法で納税することも
できます。その方法についてお話したいと思います。

 

中間納税額は前年の納税額を基に計算される

冒頭にも触れたように、中間納税額は前年の納税額を基に計算されます。

  • 法人税・法人住民税・法人事業税・・・前年の納税額の2分の1
  • 消費税・・・前年の納税額の2分の1
  • 所得税・・・前年の納税額の3分の2

税務署が納税額を印字した納付書を郵送してくるので、それを使って半期終了から2か月以内
(12月決算の会社や個人事業主なら8月末まで)に納税します。

所得税については、7月末と11月末の2回に分けて納税をします。

※前年の納税額が400万円超なら4分の3を3回に分けて、4,800万円超なら12分の11を11回に分けて、それぞれ納税します。

なお、法人税等と消費税については、申告書を出す必要がありますが、決算時の申告書に
比べるとだいぶ簡単です(上が法人税、下が消費税です)。

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前年にたくさん納税していると中間納税額も多くなる

そのため、前年の業績が良くて納税をたくさんしていた場合には、それに伴って中間納税額も
多くなります。

現在の業績の善し悪しは考慮してくれません。

今年に入って業績が急落していると、中間納税のための資金繰りに四苦八苦することもあるでしょう。

そんな時は「仮決算」がおすすめ

そんな時のために、もう1つの方法が用意されています。

それが仮決算」による中間納税です。

これは、最初の半年だけで決算(仮決算)を行い、その数値を基に法人税等や消費税の中間納税額を
計算するというものです。

申告書も通常の決算時の申告書と同じものを使います。

実際の業績に基づいての計算なので、業績が悪くなっていればそれに応じた中間納税額に
なります

また、業績が悪い時だけでなく、業績が伸びている時もこの方法はおすすめです。
現況に基づいて中間納税額が計算されるので、本決算で納税が集中するのを緩和することが
出来るからです。

なお、この方法で納税したい場合は、半期終了から2か月以内に申告書を提出し、納税する
必要があります。

それを過ぎてしまってもペナルティはありませんが、この方法は使えず、通常通り前年基準の
中間納税額になってしまいますので、ご注意ください。

 

そのためには毎日の記帳と毎月の決算が大事

この「仮決算」による中間納税は、本決算と同じくらいの精度が必要です。

そのためには、毎日こまめに記帳することと、月次決算ができるようになっていることが
大事です。

なお、所得税については「減額申請書」という書類を7月15日までに提出する必要があります。
法人税や消費税よりもスケジュールがタイトですが、そのかわり所得などは見積額でOKに
なっています。
(2回目の中間納税だけ減額してもらう場合は、期限は11月15日までとなります。)

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まとめ

特に今年は、コロナの影響を受けて中間納税が大変だという方も多いのではないかと思います。

上記の方法の他、「納税猶予」という方法もありますので、そちらも検討してみて下さい。