遺言書を書くなら「遺言執行者」を決めておきましょう!
遺言書さえ書いておけば、自動的にその内容が実行されるわけではありません。
遺言書の内容を実現する手続き=「遺言執行」が必要です。
遺言執行を滞りなく進めるためには、遺言執行をする人=「遺言執行者」を決めて
おくことをお勧めします。
遺言の内容を実行するには「遺言執行者」が必要になることが多い
例えば、遺言書の中で「この土地は○○に相続させる」と書いてあれば、
その人は、遺言書を法務局に持って行って手続きをすれば、その土地を
自分の名義に変更することができます。
しかし、預貯金や株などの名義変更、解約換金手続きについては、たとえ
「○○に相続させる」と書いてあったとしても、そしてその遺言書を銀行などに
持参したとしても、単独で名義変更等をすることができません。
名義変更等をする方法は、次の2つのどちらかしかありません。
- 書類に相続人全員の実印を押して、印鑑登録証明書をそろえ、執行する。
- 「遺言執行者」によって執行する。
1の方法は、相続人全員に協力してもらう必要がありますが、遺言書の内容に納得できない
相続人が1人でもいると難しく、そうなると2の遺言執行者を立てる方法を取らざるを
得ません(そうなることの方が多いようです)。
当事者が相続人だけであれば、まだマシかもしれません。
遺言書で財産を遺す対象が、相続人や親族ではない人(友人、知人、愛人など)であれば、
尚のこと相続人の協力を得ることは難しいので、遺言執行者を立てておくことが重要です。
遺言執行者の決め方
遺言執行者の決め方にも2つの方法があります。
- 遺言書の中で遺言執行者を指定する方法
- 家庭裁判所で選任してもらう方法
1の方法だと、遺言書で指定された人が遺言執行者への就任を承諾さえすれば
遺言執行者を決めることができます。
また、遺言執行者は相続人の中の誰かを指定することもでき、その場合は費用
がかかることも少ないので、リーズナブルです。
(相続人に遺言執行者をしてもらうことが不安であれば、税理士や弁護士、
司法書士などの専門家を遺言執行者に指定して、財産の中から執行費用を
支払うことにしていてもOKです。)
一方2の方法は、選任手続きに時間も手間もかかり、通常は弁護士などの専門家
が選任され、家庭裁判所が定めた執行費用が必ずかかってきます。
まとめ
遺言書を作成しても、それを滞りなく実行できなければ、結局のところ
残された人たちに苦労をかけてしまうことになります。
そうならないためにも、遺言執行者を遺言書の中できちんと決めておきましょう。