ふるさと納税の「ワンストップ特例」の申請をしても、確定申告が必要になることがあります

収入が1つの会社からの給料だけで、ふるさと納税をした先が5自治体以内であれば、ふるさと納税のワンストップ特例の申請をすれば、「基本的には」確定申告は必要ありません。

しかし、それでも、そのふるさと納税についても確定申告をする必要があるかもしれません。

ワンストップ特例制度とは?

そもそも、「ふるさと納税」は、

  1. 寄附(ふるさと納税)した金額ー2,000円”分、所得税と住民税が減り、
  2. 寄附(ふるさと納税)した金額が、寄附先の各自治体に移り、
  3. 返礼品がもらえる

というものです。

ざっくりと言えば、「2,000円の負担で、返礼品がもらえる」というものです。
※2,000円の負担で収まるためには、所得の段階によって、ふるさと納税額の上限額があります。

通常は、確定申告をすることで、

寄附(ふるさと納税)した金額ー2,000円”分

を取り戻します(所得税の還付と住民税の減額)。

 

しかし、冒頭に述べたように、収入が1つの会社からの給料だけで、ふるさと納税をした先が5自治体以内であれば、ふるさと納税のワンストップ特例の申請をすれば、「基本的には」確定申告は必要ありません。

そのワンストップ特例の申請とは、次の用紙に必要事項を記入して、ふるさと納税先の自治体に提出することでできます(翌年の1月10日まで)。

000397109

この用紙は、ふるさと納税先の自治体から郵送(返礼品と一緒か、遅れて郵送)されることもありますが、総務省のHPでもPDFでダウンロードすることができます。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000397109.pdf

個人情報(住所・氏名・生年月日・性別・マイナンバー・電話番号)を記載して押印し、寄附年月日・寄附金額を記載し、チェックを2つ付ければよいので、申告書を作るよりは簡単かもしれません。

 

これにより、所得税の還付は受けられませんが、その分住民税が減額されますので、効果は確定申告と同じです。

 

確定申告をする必要がある人は、ワンストップ特例が使えない⁉

ワンストップ特例の申請をしても、特例が使えない場合があります。

以下のフローチャートに当てはめて、ワンストップ特例が使えるかどうかを確認することができます。

[出典]国税庁HP「寄付金控除(ふるさと納税)を受けられる方へ」

 

これ、要は「確定申告が必要な人」または「確定申告をした方が良い人」は、ワンストップ特例が使えず、改めて確定申告で寄付金控除をする必要がある、ということです。

確定申告が必要な人」または「確定申告をした方が良い人」とは、次のような人を指します。

  1. 給与以外に所得がある。
  2. 2以上の会社から給与をもらっている。
  3. 給与収入(社保や税金などの天引き前)の合計が2,000万円超ある。
  4. 住宅ローン控除や医療費控除を受ける。

また、ふるさと納税先が6自治体以上なら、上記に当てはまらなくても、確定申告が必要になります。

なお、寄付金控除を受けるには、自治体から送られてくる「寄付金受領証明書」が必要になりますので、無くさないようにしましょう(電子申告なら、税務署への提出が省略できます)。

 

確定申告でふるさと納税の申告を忘れたら⁉

ワンストップ特例の申請をして、安心してしまい、確定申告で改めて寄付金控除をすることを忘れていたら、どうすればいいのでしょうか?

答えは、「更正の請求」です。

申告期限(翌年の3月15日)から5年以内であれば、更正の請求で寄付金控除を受けることができます。

ただし、最終の税額が「還付」となる申告は、翌年の1月1日からカウントして5年以内となりますので、注意が必要です。